《イノセント・ディフェンス》か?《水天一碧》か?(4ママ)
1. 汎用攻防用アーツ。
《イノセント・ディフェンス》、《水天一碧》はともに、4エナの消費で2点分を守ることができ、なおかつ、次のターンへの立て直しや、自ターンでの攻撃用に用いることが出来る汎用アーツである。
この2枚のアーツはエナの供給が十分に行く緑デッキであれば、どちらかはほぼ確実に入っているといっても過言ではないアーツである。
しかしながら、この2つのアーツの両方を投入する構築は広く環境を見渡しても多くはない。言い換えれば、この2つのアーツは概して比較され、どちらかが入り、どちらかが抜けるという取捨選択の関係の中にあるのである。
2.何故、4ママでの比較なのか?
筆者が非常によく用いているデッキタイプであるのが、第一的な理由ではあるが、それ以外にも理由はある。
4ママは、限定アーツに盤面の制圧力が非常に高い《全知全能》、ウィークポイントは多いものの、1コストで多面を止めるポテンシャルを持つ《避難勧告》があり、この2つのアーツを投入することになれば、残りのアーツは3枠となってしまい、その3枠の中に何を投入するか、という難しい問題に直面する。
もちろん、《避難勧告》を入れない、という選択肢は存在するが、その選択肢を取れば、防御アーツをコスト的な面も含めどう考えるかという問題は非常に難しくなる。
《イノセント・ディフェンス》と《水天一碧》の選択を迫られる、典型的なデッキタイプであることは、今回取り上げた理由として大きい部分である。
3.《水天》のメリット
《水天》の大きなメリットとして、これらが挙げられる。
①シグニアタックを二面止めることができる
②2エナチャージを選べば、実質消費は2エナに抑えられる
③無色エナを支払える
まず、①についてであるが、基本的にガードを握ってる際は純粋に《イノディ》に対して守れる点数として優位である、ということである。(もちろんバニッシュ耐性とシグニダウン凍結で2点守れるケースが多いのも事実)。また、エナ消費こそ激しくなるが、エナゾーンからサーバントを回収することで、シグニ二点とルリグアタックを止めることができ、単純な防御性能では《水天》に基本的には分がある。
②についてであるが、《全知全能》を打つことを考えれば、非常に大きいメリットである。また、回収対象を増やせるので《ママ4MODE2》との効果の相性も良い。
③が非常に肝要になる部分で、エナに落ちた《ダイホウイカ》《コスモウス》《シンカー》といった他色の汎用カードを支払いに用いることができる。これは《イノディ》にはない利点である。
4.《イノディ》のメリット
一方で、《イノディ》の大きなメリットは以下のようなものであると考えられる。
①ルリグに「アタックさせない」
②トラッシュからの回収
③緑エナ以外不要
一見、《避難勧告》で解決していそうな①であるが、「アタックできない」を付与させるのが肝である。《避難勧告》では、《エニグマ》による盾回復が止まらないのである。
②については、エナからの回収手段をルリグが持つ【4ママ】において、貴重なトラッシュ回収手段となる。
回収したシグニをカンニングに用いれば《ダイホウイカ》などの点数要求が止まることもある。
③についてであるが、先の《水天》と対照的であり、こちらは他色を吐けないが、他の色を要求もしない。
5.現状における選択
【散華ウリス】が強勢である中、《エニグマ》を止める手段が重要なのであるが、《ブルパニ》を抱える青のようにスペル自体を止めるという選択肢が取りづらく、ルリグ自体を止めたいケースが多い。
【バカラオーラ】が強勢であった頃は、《避難勧告》が低コストルリグストップであるという点で圧倒的に《イノディ》に水を開けていたが、先述の通り《エニグマ》は、《避難勧告》では止まらないのである。
この点に関して、一方の《水天》はあくまで汎用アーツでしかない。独自の強みはないのである。
言ってしまえば(【4ママ】)にとって《水天》の方が、より総合力の高いアーツであるが、現環境への対応力は《イノディ》なのである。
むろん、《ゴルディ》を投入する考え方など、考え方次第で、《水天》と《イノディ》の選択はいくらでも入れ替わる。
重要なことは、自分が必要としている役割を、どちらがより果たしてくれるか、なのである。